2017年2月10日金曜日

2017-02-10

不正や汚職を憎んだ胡堂がバッハを好んだのは、罪悪を厭う姿勢にも共感したからだろう。

 エィッと、悪いやつらに銭が飛ぶ。江戸のヒーロー、銭形平次親分の得意技だ。生みの親の野村胡堂は、大のクラシック音楽好きでもあった。40年間に集めたレコードが1万数千枚。重さで家がひっくり返ったと噂もたった。「あらえびす」の名で多くの評論も書いた。

▼生演奏などめったに聴けない戦前、重いSP盤を抱え、全国を講演で回った。大学生の長男が病床で、ヘンデルの「メサイア(救世主)」の総譜を読み、全曲を聴きたがった。英国から全18枚を取りよせたが、聴けずに亡くなる。楽譜は棺(ひつぎ)に納めて、母校で全曲をかけた。3千人の学生が集まり、後々まで語り草になった。

▼ヘンデルと並ぶ巨匠、バッハの自筆譜が地元ライプチヒに戻り式典が行われた。ナチスの蛮行から逃れて国外に流出し、没後約260年の里帰りとなった。曲は「おお永遠、そは雷(いかずち)のことば」。罪悪には永遠の苦しみが待つと歌う。早く両親をなくし苦労を重ね、ひたすら神に捧(ささ)げる音楽を作り続けた大家の人柄がにじむ。

▼胡堂は書斎にバッハの肖像を飾り、レコードを聞きながら書いた。父の死で学費が続かず、帝大法科を中退。30年いた新聞社では、社会部長などを務めた。とりわけ、法をすりぬける不正や汚職をにくんだ。罪悪をいとう音楽家の姿勢にも共感したのだろう。耳をすませば、活劇の向こうから、心を洗う調べが流れてくる。
エィッと、悪いやつらに銭が飛ぶ。江戸のヒーロー、銭形平次親分の得意技だ。生みの親の野村胡堂は、大のクラシック音楽好きでも  :日本経済新聞



キーワード
バッハ 28/36
胡堂 27/36
罪悪 26/36
銭形平次 22/36
野村 21/36
いとう(厭う) 20/36
共感 19/36
憎み、憎む 16/36
姿勢 14/36
不正 14/36
汚職 12/36
心 12/36
音楽家 11/36
調べ 11/36
洗う 11/36
音楽 8/36
活劇 8/36
作者 8/36
生みの親 6/36
愛した 5/36
流れてくる、流れる 6/36
好んだ 5/36



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2017年02月10日春秋要約まとめ
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[因]
胡堂は書斎にバッハの肖像を飾り、レコードを聞きながら書いた

[果]
罪悪をいとう音楽家の姿勢にも共感したのだろう

編集過程
不正や汚職を憎んだ胡堂がバッハを好んだのは、罪悪を厭う姿勢にも共感したからだろう。
不正や汚職を憎んだ胡堂がバッハを好んだのは、罪悪を厭う音楽家の姿勢にも共感したからだろう。
不正や汚職をにくんだ胡堂がバッハを愛したのは、罪悪をいとう音楽家の姿勢にも共感したからだろう。


豆知識

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