2014年7月27日日曜日

2014-07-27

今日を必死に生きた者だけに明日が来るというのが、漫画あしたのジョーのメッセージだ。

2014/7/27付

 少し前だが、スポーツのノンフィクションを公募するとボクシングの話ばかりになる、と聞いたことがある。貧しさからの脱出、トレーニングや減量の苦しさ、人の内に潜む本能、かけひき、栄光か負け犬になるかの天と地。個人競技特有の分かりやすさもあるだろう。

▼とはいえ、あれこれを挙げていくと、1970年を挟む5年ほど少年マガジンに連載されたこの劇画に、要素はすべて詰まっていたと思い至る。折に触れて口の端にのぼり、40年たって正面から取り上げられるのだからたいしたものだ。「あしたのジョー、の時代」と題する展覧会が東京・練馬区立美術館で開かれている。

▼物語の底に流れる破滅への予感が、連載当時は強いものに抗(あらが)うことこそをよしとする若者のヒロイズムと響き合った。いま、ジョーの野性は美術館にお行儀よく収まり、訪れた人の懐旧の情をそそる。それでも現代アーティストたちがこの劇画をモチーフにつくった作品が、ジョーは「きのう」の人ではないと訴えている。

▼映画版「あしたのジョー」に出演し、ボクシングファンを通り越して「拳闘症患者」を自認する香川照之さんが書いている。「今日という日を奇麗事ではない、周りからは狂っていると思われるような過ごし方をした者だけに『あした』はやって来る」。それがこの漫画のメッセージなのだ、と。そうだった、そうだった。
少し前だが、スポーツのノンフィクションを公募するとボクシングの話ばかりになる、と聞いたことがある。貧しさからの脱出、トレ  :日本経済新聞











[因]
連載から40年たっても取り上げられるあしたのジョー

[果]
周りからは狂っていると思われるような過ごし方をしたものだけに明日はやってくる

<編集過程>
連載から40年たっても取り上げられるあしたのジョーは、周りからは狂っていると思われるような過ごし方をしたものだけに明日はやってくる
周りからは狂っていると思われるような過ごし方をしたものだけに明日はやってくるというのが、あしたのジョーのメッセージだ。
今日を必死に生きた者だけに明日がやって来るというのが、あしたのジョーのメッセージだ。
今日を必死に生きた者だけに明日が来るというのが、漫画あしたのジョーのメッセージだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿