2017年1月13日金曜日

2017-01-13

米トランプ氏の政権移行に気をとられ、知らぬ間に中国から足をすくわれぬようにしたい。

約300と0。トランプ次期米大統領が、昨年11月の選挙での勝利後「ありえない!」などツイッターに投稿をした数と記者会見に応じた回数だ。その0が、やっと1になった。10本もの星条旗を背に、赤のネクタイで腕を大きく上下させての正調トランプ音頭である。

▼まもなく就くのは、一時の勢い衰えたりとはいえ、自由と民主主義の価値観で世界を導く超大国のトップの座だ。それなのにのどや節回しは激しかった選挙戦と比べ少しも変わらない。「私は最大の雇用創出者になる」と自信たっぷりに宣言してみせる一方、中国、日本との貿易不均衡を嘆き、おなじみの壁にも言及した。

▼自画自賛や被害の訴えに加え「米国を去る企業には高い関税をかける」と威圧も忘れなかった。駆け引きでは巧者の手練手管に周囲は当分振り回されるのだろう。見逃せないのがメディアへの厳しい批判だ。「ロシアに弱みを握られた」との報道をした社が質問を求めると「おまえの報道は偽ニュース」と拒み続けていた。

▼むき出しの対決姿勢では多様な意見を政策に反映できないし、求められる説明責任も果たせまい。折しも政権移行期の隙をついて、中国軍が対馬や台湾周辺で活発に動く。「策士、策に溺れる」のたとえもある。いつの間にか、こんなことになっていないよう祈りたい。渡辺白泉の一句だ。「戦争が廊下の奥に立ってゐた」
約300と0。トランプ次期米大統領が、昨年11月の選挙での勝利後「ありえない!」などツイッターに投稿をした数と記者会見に  :日本経済新聞











[因]
政権移行期

[果]
いつの間にか、こんなことになっていないよう祈りたい。

<編集過程>
米トランプ氏の政権移行に気をとられ、知らぬ間に中国から足をすくわれぬようにしたい。
米国トランプ氏の政権移行に気をとられ、知らぬ間に中国から足をすくわれぬようにしたい。
過激な発言を繰り返す米国トランプ氏の政権移行期に気を取られ、気づかぬ間に中国から足をすくわれぬようにしたい。
過激な発言を繰り返す米国トランプ氏の政権移行期に気を取られ、気づかぬ間に中国からぬようにしたい。

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