2017年1月18日水曜日

2017-01-18

米・英・日の国々が抱える問題解決には、せめて「光の春」の兆しがあれば希望が持てる。

 凍えながら空を見上げても気付きはしないが、この時期、日本の上空約1万メートルには西から東へ猛烈な風が吹いている。蛇行して地球を巡るジェット気流だ。時に秒速100メートルにもなる。かつて米国発台湾行きの飛行機が逆風で燃料が尽き、九州に着陸した一件もあった。

▼ある書によると、太平洋戦争中にサイパンから日本へ向かった米軍機のパイロットが西風に悩まされた体験から、気流の存在が広く知られるようになった。一方の日本側も早くからこの強風に気付き、米本土への風船爆弾に活用したという。いずれにしろ、新幹線超えの速度は、南北の温度差が大きい冬場に特有のものだ。

▼あさっては大寒で、来月4日の立春まで一年で最も寒いころを迎える。受験生や保護者には重苦しい半月だ。しかし、四季の移ろいは日の長さの変化に表れている。昨年の冬至ときょうを比べれば札幌で27分、東京では20分と、かなり昼は伸びた。これが立春ともなると札幌で1時間以上長くなる。気分も前向きになろう。

▼ロシアで2月を「光の春」と呼ぶ。気温はまだ低いが、日差しの力強さが次の季節を約束しているのである。美しい言葉だ。新大統領を待つ米国、EU離脱に揺れる英国、デフレからの脱却が正念場の日本と、厳冬の暴風下にルートを探すがごとき国々である。せめて「光の春」の兆しがあれば、希望の灯となるだろうが。
凍えながら空を見上げても気付きはしないが、この時期、日本の上空約1万メートルには西から東へ猛烈な風が吹いている。蛇行して  :日本経済新聞











[因]
新大統領を待つ米国、EU離脱に揺れる英国、デフレからの脱却が正念場の日本と、厳冬の暴風下にルートを探すがごとき国々である。

[果]
せめて「光の春」の兆しがあれば、希望の灯となるだろうが。

<編集過程>
米・英・日の国々が抱える問題解決には、せめて「光の春」の兆しがあれば希望が持てる。
米英日の国々が抱える問題を解決するには、せめて光の春の兆しがあれば希望が持てる。

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