2017年1月19日木曜日

2017-01-19

生活保護受給者を罵るジャンパーを着て受給者の不正を正そうという姿勢は、行き過ぎだ。

 勢いのある毛筆調の文字で「膝頭から肘方向」。こう大書きしたTシャツ姿の外国人を都内の観光地で見かけ、つい声に出して笑ってしまったことがある。海外の人がカッコいいと感じる文字を選んで作るからだろうか、ヘンな意味の日本語シャツは結構出回っている。

▼逆のパターンも多い。英語で「私はもう死んでいるが、たまに出歩く」というトレーナーを着た若者を見たこともある。嫌な思いをする人がいるようでは困るが、デザインとして面白いとか、半分冗談で楽しんでいるなら他人があれこれ言う話ではない。では「HOGO NAMENNA(保護なめんな)」はどうだろう。

▼生活保護を担当する神奈川県小田原市の職員らが、こんな文字が並ぶジャンパーを着て受給者宅を訪問していたという。背中には「不正受給して欺く人はクズだ」という趣旨の英文もあるというから、意味も分からず着ていたわけではなさそうだ。不正を正す仕事の大変さは想像にかたくないが、行き過ぎというしかない。

▼生活保護を略した「生保」を読み替えて「ナマポ」。インターネット上には、受給者を侮蔑する言葉があふれている。とにかく過激で、攻撃的な物言いがはやる昨今である。他者をののしる形相をつくって自撮りし、プリントしてみてはどうだろう。間違いなく、家族や友人の前では決して着られないシャツができあがる。
勢いのある毛筆調の文字で「膝頭から肘方向」。こう大書きしたTシャツ姿の外国人を都内の観光地で見かけ、つい声に出して笑って  :日本経済新聞











[因]
生活保護を担当する神奈川県小田原市の職員らが、こんな文字が並ぶジャンパーを着て受給者宅を訪問していたという。

[果]
不正を正す仕事の大変さは想像にかたくないが、行き過ぎというしかない。

<編集過程>
生活保護受給者を罵るジャンパーを着て受給者の不正を正そうという姿勢は、行き過ぎだ。
生活保護受給者を罵るジャンパーを着て受給者宅を訪問することは、不正を正すためとはいえ行き過ぎだ。
生活保護受給者をののしるジャンパーを着て受給者宅を訪問することは、不正を正すためとはいえ行き過ぎだ。
不正を正すためとはいえ生活保護受給者を侮蔑する言葉入りのジャンパーを着て受給者宅を訪問することは、行き過ぎだ。
小田原市の職員らが受給者を侮蔑する言葉入りのジャンパーを着て受給者宅を訪問していたことは、不正を正す仕事の大変さは想像にかたくないが、行き過ぎというしかない。
小田原市の職員らが受給者を侮蔑する言葉入りのジャンパーを着て受給者宅を訪問していたことは、不正を正す仕事の大変さは想像にかたくないが、行き過ぎというしかない。


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