2017年3月11日土曜日

2017-03-11

原発事故以来廃墟と化した帰還困難区域が、元の活気を取り戻すのはそう簡単ではない。

 数日前、福島県いわき市から国道6号を北へ向かって車を走らせた。好天の中、群青色の太平洋が光る。白い花は梅か。やがて「この先、二輪車、歩行者は通行禁止」といった表示が目立ち始める。原発事故の影響で放射線量が高いレベルのままの「帰還困難区域」だ。

▼民家の入り口は鉄パイプと金網で封鎖されている。飲食や衣料のチェーン店は、高々と看板を掲げてはいるが中に人けはない。ガソリンスタンドを一面の雑草が覆う。信号は黄が点滅しているだけの所が多い。交差する道から車も人も来ないのだ。日本の歴史上、初めて出現したと思われる光景だが、すでに6年が過ぎた。

▼国費での除染も進め、5年先には住民が戻って来られる段取りにはなっている。しかし、他の地区の前例から、ふるさとが元の活気やにぎわいを取り戻すのは、そう簡単ではあるまい。平穏な暮らしを奪った事故への怒りや無念。さまざまなわだかまりを胸に、数十年とされる廃炉への工程を身近にしながらの日々になる。

▼「チッソの人の心も救われん限り、我々も救われん」。石牟礼道子さんが水俣病患者のこんな言葉を書き留めている。直後にこう添えた。「そこまで言うには、のたうち這(は)いずり回る夜が幾万夜あったことか」。甚大な厄災を、年月をかけて乗り越えた魂の粘り強さと気高さを感じる。郷土を取り戻す道をも照らすようだ。
数日前、福島県いわき市から国道6号を北へ向かって車を走らせた。好天の中、群青色の太平洋が光る。白い花は梅か。やがて「この  :日本経済新聞

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キーワード 点数 頻度
取り戻す 20.9 16/22
郷土 10.5 13/22
魂の 8 11/22
乗り越えた 10.9 10/22
気高さ 8.5 10/22
粘り強さ 9.8 10/22
照らす 7.2 9/22
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原発事故 3.5 5/22
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