2014年8月15日金曜日

2014-08-15

8月15日は、国が発したスローガンにより国民が傷く事の無いよう心構えを新たにしたい。

2014/8/15付

 三つ揃(ぞろ)えを着込み、ふかふかのソファに身を沈める憂い顔の金持ち紳士に向かって、5歳くらいか、その膝にちょこんと座った娘が問いかける。「この大戦争でパパはなにをしたの?」。第1次世界大戦の初期、英国ではこんな図柄のカラー刷りポスターがつくられた。

▼英国は当時、参戦した主要な国の中で唯一徴兵制度がなかった。軍に志願せず子どもの疑問に答えられるのか。身内も肩身の狭い思いをするぞ。ポスターはそんな脅しを込めている。敵味方を問わない大々的な宣伝合戦は第1次大戦で始まった。勃発から100年の今年は「武器によらない戦争」を振り返る試みも盛んだ。

▼結局のところ、戦時に国が国民向けに発するメッセージにはどこも差はない。祖国を蛮行から救え。正義のため立て。家族を守れ……。それでも「必要以上に召使を雇うな」とは英国らしいが、「古着姿を恥じてはいけません」などは「欲しがりません勝つまでは」と見まがう。こうして人々は一色に塗りたくられていく。

▼揚げ句、命を失い、傷つくのは国民である。しょせん子どもだましだ、と高をくくっているうちに安手のスローガンが再び国を覆うおそれは金輪際ないか。ないと言い切ることはできない。せめて惨禍を胸に刻み、もう一色に塗りたくられはしないという心構えをあらたにする。69回目の8月15日は、そうした日でもある。
三つ揃(ぞろ)えを着込み、ふかふかのソファに身を沈める憂い顔の金持ち紳士に向かって、5歳くらいか、その膝にちょこんと座っ  :日本経済新聞











[因]
国が国民に向け発した一色に塗りたくられたメッセージ

[果]
戦争の惨禍を胸に刻み、もう一色に塗りたくられはしないという心構えをあらたにしたい。

<編集過程>
国が国民に向け発した一色に塗りたくられたメッセージ、戦争の惨禍を胸に刻み、もう一色に塗りたくられはしないという心構えをあらたにしたい。8月15日は、戦争の惨禍を胸に刻み繰り返してはならないと、心構えを新たにしたい。
8月15日は、戦争の惨禍を胸に刻み繰り返してはならないと、心構えを新たにしたい。
8月15日は、国が発したスローガンにより国民が傷く事の無いよう心構えを新たにしたい。

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