2014年8月28日木曜日

2014-08-28

高齢者の減少や記憶の忘却により戦争が忘れられてきているので、戦争の記憶を忘れるな。

2014/8/28付

 おととい80歳で急逝した俳優・米倉斉加年さんの生家は福岡市の大きな炭屋で、三和土(たたき)に絵を描くのが幼いころの遊びだった。まだ小学校に上がる前のある日、通りがかりの人に「うまいね。マルは描けるかい?」と声をかけられた。で、しゅっと描いてみせたという。

▼飄々(ひょうひょう)として繊細なその演技を愛する人も多かっただろうが、とても副業とはいえぬ画家、絵本作家としての原点が、しゅっと描いたマルにあった。才能を生かした代表作が絵本の「おとなになれなかった弟たちに…」である。1987年から今日まで、中学1年の国語の教科書(光村図書)にも本人の挿絵つきで載っている。

▼父が44歳で中国に出征した。直後に生まれた弟は終戦間近の7月末、疎開先で栄養失調で死んだ。2歳前だった。「おとなに…」は普通の生活のなかの戦争を書いた。斉加年少年は母の目を盗んで配給のミルクを缶からちゅっちゅっと飲んでいた。「罪悪感はいまも消えない」。米倉さんは昨年、ラジオでそう語っていた。

▼「だから弟の命日には仏前にミルクをあげることに決めたのに、最近はそれすら忘れる。人間って忘れっぽいんですね」。戦争の記憶を持つ人が減っていく、ということは、国の記憶の総体が減るということだ。8月15日が過ぎれば戦争のことはまた来年、といった風潮もある。米倉さんの死が「忘れるな」と訴えている。
おととい80歳で急逝した俳優・米倉斉加年さんの生家は福岡市の大きな炭屋で、三和土(たたき)に絵を描くのが幼いころの遊びだ  :日本経済新聞











[因]
人間は忘れっぽい

[果]
戦争の記憶を忘れるな。

<編集過程>
人間は忘れっぽく、戦争の記憶を持つ人も減ってきているので、戦争の記憶を忘れるな。
人間は忘れっぽく、戦争の記憶を持つ人も減ってきているので、戦争の記憶を忘れるな。
高齢者の減少や記憶の忘却により戦争の記憶が減ってきているので、戦争の記憶を忘れるな。
高齢者の減少や記憶の忘却により戦争が忘れられてきているので、戦争の記憶を忘れるな。

0 件のコメント:

コメントを投稿