2014年11月1日土曜日

2014-11-01

日本銀行の追加緩和は、裏目に出ればまさかの事態を招く背水の陣だ。

2014/11/1付

 漢の名将韓信が趙(ちょう)軍と戦ったときのことである。有利な山の砦(とりで)から大軍を川辺に下ろした。見ていた敵は大笑いした。逃げ場がなく常識外れの不利な布陣だった。絶体絶命とも見えたが、別動隊が背後に回って、挟み撃ちで勝利する。「背水の陣」のもとになった話だ。

▼韓信の策は予想を裏切った。経済の分野でも当局が意表を突くことがある。想定外の発表があれば、市場関係者の心理に影響を与える。相場も動かす。それまでの予想と最新情報との開きが大きいほど、驚きも大きい。日本銀行の追加緩和もまさかの決定だった。日経平均株価は大幅に上昇し、約7年ぶりの高値をつけた。

▼「物価目標の2%の実現を確かなものにしたい。今が正念場だ」。黒田東彦総裁は発表後の会見で、心理的効果を強調した。これまでも強力な緩和策を進めてきた。それでも消費増税後の消費の落ち込みや原油価格の大幅下落で脱デフレの達成が遠のきかねない。悲観が広がるのを早めに食い止めたいとの思いがにじんだ。

▼市場の不意は突いたが、効果が続くかは不確か。副作用がでない保証はない。超緩和策が市場をゆがめているとの指摘もある。米国の量的緩和の終了でさらに円安が進めば企業への影響も心配だ。妙案も裏目にでれば、まさかの事態を招く。そのときどうするか。打つ手はあまり残っていない。まさに「背水の陣」である。
漢の名将韓信が趙(ちょう)軍と戦ったときのことである。有利な山の砦(とりで)から大軍を川辺に下ろした。見ていた敵は大笑い  :日本経済新聞











[因]
意表をついた日本銀行の追加緩和

[果]
効果が続くかは不確かで背水の陣だ

<編集過程>
意表をついた日本銀行の追加緩和は、効果が続くか不確かでまさに背水の陣だ。
日本銀行の追加緩和が招く副作用により、効果継続が不確かでまさに背水の陣だ。
日本銀行の追加緩和は、副作用がでる可能性もありまさに背水の陣だ。
日本銀行の追加緩和は、裏目に出ればまさかの事態を招く背水の陣だ。

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