2014年11月29日土曜日

2014-11-29

各部分が自分で動いて問題を解く粘菌の賢さに学び、地方分権による地方活性化を進めろ。

2014/11/29付

 民俗学者、南方熊楠(みなかたくまぐす)は絵が得意だった。幼時から「和漢三才図会」などを写して学んだ。先日、見つかったハガキにも味のある自画像があった。右手に空の財布を持ち、左手を差し出す。博覧強記で「歩く百科事典」と称された碩学(せきがく)は、実にユーモアあふれる人だった。

▼昭和4年、紀伊半島を訪れた昭和天皇に進講した。生物学に造詣の深い天皇は、予定時間を超えて聞き入った。このとき、熊楠は大きなキャラメルの箱に入れて標本を献上した。中身は生涯をかけて採集研究してきた粘菌だった。落ち葉の下にいる身近な生物で動物のように動き回る。かと思うと植物のような姿に変わる。

▼驚いたことに謎の生物は脳も神経もないが、迷路の最短経路を見いだす。地図上で実際の鉄道と似た路線を作る。この発見でイグ・ノーベル賞を受賞した中垣俊之・北大教授は「原始的な知性」があるとみる。脳のような中央からの指令によらず、分散した各部分が自分で動いて問題を解く賢さがあるという(「粘菌」)。

▼地方分権の動きをみていると、その賢さに学びたくなる。地方活性化のかけ声は繰り返されてきたが、実効が上がらない。権限委譲や規制緩和も一向に進まない。これまでの失敗から学んでいないからではないか。ちなみに、熊楠が「大宇宙を包蔵する」と絶賛した粘菌には、単細胞ながら記憶や学習の萌芽(ほうが)もあるそうだ。
民俗学者、南方熊楠(みなかたくまぐす)は絵が得意だった。幼時から「和漢三才図会」などを写して学んだ。先日、見つかったハガ  :日本経済新聞











[因]
粘菌には分散した各部分が自分で動いて問題を解く賢さがある

[果]
地方分権の動きをみていると、その賢さに学びたくなる

<編集過程>
分散した各部分が自分で動いて問題を解く粘菌の賢さに学び、地方分権による地方活性化を進めろ。
分散した各部分が自分で動いて問題を解く粘菌の賢さに学び、地方分権による地方活性化を進めろ。
各部分が自分で動いて問題を解く粘菌の賢さに学び、地方分権による地方活性化を進めろ。

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