2014年11月12日水曜日

2014-11-12

頻繁に人里に出没するようになった熊と、新しい環境での共生の工夫するのは人の仕事だ。

2014/11/12付

 突然、虎が躍り出た。2発撃っても平気だ。赤い口、光る目。耳をつんざく咆哮(ほうこう)。飛びかかるとみた瞬間、向きを変えた。そこに放った1発でどうと倒れた。「虎狩りの殿様」と呼ばれた尾張徳川家の19代・元侯爵、徳川義親が「私の履歴書」で武勇談を披露している。

▼大正時代のマレー半島での話である。戦争を機に殺生はやめたが、もとは熊狩りの殿様だった。尾張家は維新後、藩士救済のために、北海道で農場を経営。周辺の熊を撃っていたことで有名になった。農村の生活は厳しく、冬は雪に閉ざされる。木彫り熊を考案し、農閑期の副業として勧めたところ、特産として広がった。

▼その熊がいま頻繁に人里に現れる。全国で出没件数が増え、ここ数年で最多の地域も多い。住宅地や駅周辺でも遭遇する。先日は岐阜で死者も出た。ドングリが不作で餌を求めて下りてくる。山村で過疎化が進み、山林の管理が行き届かなくなった影響が大きい。人と動物のすみかの境界が大移動した可能性もあるらしい。

▼江戸時代、雪国の生活を描いた「北越雪譜」には「熊は和獣の王、猛くして義を知る」とある。木の実を食し、仲間の動物は食べない。田畑を荒らさない。まれにあっても食がないときだけだという。昔からの「義獣」との共存が年々、難しくなっている。新しい環境での共生の道を工夫するのは、人間たちの仕事である。











[因]
頻繁に人里に出没するようになった熊

[果]
新しい環境での共生の道を工夫するのは人間の仕事

<編集過程>
頻繁に人里に出没するようになった熊と、新しい環境での共生の道を工夫するのは人間の仕事だ。
頻繁に人里に出没するようになった熊と、新しい環境での共生の工夫するのは人間の仕事だ。
頻繁に人里に出没するようになった熊と、新しい環境での共生の工夫するのは人の仕事だ。

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