2014年11月27日木曜日

2014-11-27

違憲状態でも改革をサボる政治家の面の皮は厚みを増し、もはや鉄面皮と化している。

2014/11/27付

 「面の皮の千枚張り」という言葉がある。ひどく厚かましい人をこう呼ぶわけだが、政治家のみなさんは面の皮をどれほど張り重ねておられよう。相手が最高裁でもヘッチャラらしいから何千枚か、いや何万枚か。「1票の格差」の抜本是正を怠る先生方のことである。

▼最大4.77倍だった昨年の参院選の格差について、きのう最高裁は違憲状態との判断を示した。2010年の参院選につづく、司法からのぎりぎりの警告である。こういう展開を予期して、さすがに一時は与野党の話し合いが始まっていたのだが自民党は途中でするりと身をかわした。改革派の座長更迭劇は記憶に新しい。

▼衆院のほうも面の皮は相当なものだ。2年前の総選挙のとき、自民党総裁として安倍さんは身を削る改革を請け負った。ところが圧勝した後に実現させたのは「0増5減」の弥縫(びほう)策だけである。こちらも最高裁から違憲状態の指弾を受けたままだ。それでいて踏み切った解散には政策うんぬん以前の疑わしさがつきまとう。

▼どうせ選挙無効になんかできっこない。議員が改革をサボるのは、司法をそう見くびっているからでもあろう。こんども高裁レベルでは踏み込んだ判断もあったのだが、最高裁は違憲状態にとどめた。かくて面の皮は厚みを増し、もはや鉄面皮と化しているかもしれない。堪忍袋の緒を切らせようと挑んでいるのだろうか。
「面の皮の千枚張り」という言葉がある。ひどく厚かましい人をこう呼ぶわけだが、政治家のみなさんは面の皮をどれほど張り重ねて  :日本経済新聞











[因]
違憲状態でも議員が改革をサボるのは

[果]
政治家の面の皮は厚みを増しもはや鉄面皮と化している。

<編集過程>
違憲状態でも改革をサボる政治家の面の皮は厚みを増し、もはや鉄面皮と化している。


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