2014年11月13日木曜日

2014-11-13

解散総選挙で圧勝した自民党に政権が移り2年が経過したが、民意に変化はあるのか。

2014/11/13付

 くもり硝子の向うは風の街――と寺尾聰さんがむかし歌った「ルビーの指環」は、別れた恋人への未練が切々と伝わる名曲だった。そして二年の月日が流れ去り 街でベージュのコートを見かけると――。どうやら別離はまだ2年前のことで、ふと記憶が甦(よみがえ)るのだ。

▼遠いような近いような、2年という歳月はそんな微妙な時間の長さだろう。振り返れば一昨年の11月14日、当時の野田佳彦首相は安倍晋三自民党総裁との党首討論でだし抜けに翌々日の解散を口にした。「嘘はつかない」「約束ですね」。あれからあすで2年。にわかに強まる解散風はあのドラマを生々しく思い出させる。

▼ほどなく政権は自民党に移り、アベノミクスで円安株高は進み、怖いものなしの1強支配が続いてきた日々である。それが最近はどうも調子がわるい。ギクシャクが目立つ。そんななかで出てきたのが2年ぶりの解散話だ。消費税の再引き上げは延期して選挙でお墨付きを。そして政権の安定を。思惑は募るばかりらしい。

▼再増税延期はリスクも大きいはずだが、将来の不安はさておき、というのが今回の11月ドラマの勢いだ。安倍自民を圧勝させた民意はこの情景をどう眺めていよう。二年の時が変えたものは 彼のまなざしと私のこの髪――。やはり「2年」を歌った竹内まりやさんの「駅」ではないが、人々のまなざしに転変はありや。
社説・春秋 :日本経済新聞











[因]
解散総選挙で政権が自民党に移ってから2年

[果]
民意に変化はあるのか

<編集過程>
解散総選挙で政権が自民党に移ってから2年、民意に変化はあるのか
解散総選挙で政権が自民党に移ってから2年が経過したが、民意に変化はあるのか。
解散総選挙で圧勝した自民党に政権が移り2年が経過したが、民意に変化はあるのか。

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