2014年2月6日木曜日

2014-02-06

受験生は今後も、厳しい冬とともに試験をうけることになるようだ。がんばってほしい。



春秋
2014/2/6付
 春は名のみの風の寒さや――。立春という言葉をあざ笑うような寒波の襲来に、早春賦の出だしが頭の中を流れる。それまで寒の内とは思えない暖かさが続いていた分、風の冷たさもひとしおだ。体調管理に気をつけたい。とりわけ、年に1度の勝負に挑む受験生は。
▼共通一次試験、今でいうセンター試験を受けた時の記憶をよみがえらせてみる。自宅から試験会場までは、列車を乗り継いで1時間あまりの距離。雪のためにダイヤが乱れるのは日常茶飯事という土地柄だったので、前の日のうちに会場近くに宿をとった。当日は寒く雪が降ったが、幸いにも体調が崩れることはなかった。
▼今となっては懐かしい思い出だ。とはいえ、ずいぶんと手間をかけさせられたものだ、と思う。そして試験の呼び名が変わった今でも、日本海側の受験生が面倒な事情は相変わらずだ。もちろん、インフルエンザが全国的にはやりやすい季節なので、太平洋側の受験生にとっても十分に大変な受験シーズンなのだけれども。
▼一昨年、東京大学が秋入学を検討するとのニュースを目にしたときは、グローバル化への対応という名目とは別に、かつての受験生として期待した覚えがある。残念ながら構想は尻すぼみとなって、これからも受験生たちはインフルエンザを警戒し続けることになるようだ。日本海側では雪との闘いも。がんばってほしい。
春は名のみの風の寒さや――。立春という言葉をあざ笑うような寒波の襲来に、早春賦の出だしが頭の中を流れる。それまで寒の内 :日本経済新聞

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