2014年9月21日日曜日

2014-09-21

不気味に膨張するイスラム国との戦いは、私達の社会の中の虚しさという魔物との戦いだ。

2014/9/21付

 その支配地域をあらわす地図を見ると、かれらの活動はアメーバのごとく変幻自在、まさに筋金入りのゲリラ組織であることがわかる。それが版図を急速に拡大して国家を名乗り、無法の限りを尽くしてやまない。「イスラム国」――いま世界で最も危険な存在だろう。

▼イラクとシリアにまたがる広大な「国」は何を企て、どこへ向かうのか。残虐行為と恐怖支配はこれまでの過激派にも通じる所業だが、軍事力や統治能力はひときわ高度だという。そして何よりも戦慄すべきは外国からおびただしい数の戦闘員を集めていることだ。1万人を超すそのなかには多数の欧米人も含まれている。

▼スケールは違うが、オウム真理教を思い起こさずにいられない。教祖の妄念は国家転覆のもくろみを生み、教団にたくさんの若者が吸い寄せられた。不遇をかこつ人々だけではなく、多くのエリートが罠(わな)にはまったのである。みんな現実社会の「虚(むな)しさ」からの解放を求めていたと、宗教学者の島田裕巳氏は分析している。

▼「イスラム国」に走る欧米の若者にも、中流以上の家庭の出身者は少なくないようだ。退屈な日常、閉塞感、孤独……。誰もがさいなまれる、そんな「虚しさ」を過激思想は巧みにすくい取っていくのだろうか。不気味に膨張するその「国」との戦いは、じつはわたしたちの社会のなかの魔物との戦いであるかもしれない。
その支配地域をあらわす地図を見ると、かれらの活動はアメーバのごとく変幻自在、まさに筋金入りのゲリラ組織であることがわかる  :日本経済新聞











[因]
不気味に膨張するイスラム国との戦いは、

[果]
わたしたちの社会の中の魔物との戦いである。

<編集過程>
不気味に膨張するイスラム国との戦いは、わたしたちの社会の中の虚しさという魔物との戦いである。
不気味に膨張するイスラム国との戦いは、私達の社会の中の虚しさという魔物との戦いだ。

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