2014年9月27日土曜日

2014-09-27

人の心を大切にする経済学をテーマとした宇沢氏の人生は、人間臭さに満ちた生涯だった。

2014/9/27付

 日本の大手企業のトップらで構成する日中経済協会の訪中団が、中国の汪洋副首相らと会談した。日本側は習近平国家主席か李克強首相との会談を求めていたが、実現しなかった。

 11月に北京で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせた日中首脳会談の開催を期待する日本側には、中国側の姿勢を瀬踏みする思惑があった。中国側は慎重な構えを改めて示したといえよう。

 一連の会談では、日中関係の現状は打開する必要があるとの考えで双方が一致した。中国の高虎城商務相は、日本からの対中直接投資が大きく落ち込んでいることに懸念を表明した。

 今年上半期の日本から中国への対中直接投資額は前年同期に比べ48%減った。原因として中国側からは、日中の政治関係の悪化を特に問題視する声が出たようだ。確かに、政治問題は経済関係に深刻な影を落としている。

 2012年に尖閣諸島を国有化したあとの反日デモでは、日系企業への焼き打ちや略奪が起きた。昨年の安倍晋三首相の靖国神社参拝などで歴史認識をめぐるあつれきが深まるなか、商船三井の船舶の差し押さえなど経済の面でも過去を問う動きが浮上した。

 ただ、政治リスク以外の要因も少なくない。人件費の急激な上昇や依然ずさんな知的財産の保護、透明性を欠いたビジネス環境などを心配する声は多い。

 こうした問題をめぐって率直に意見交換し着実に改善していくことは、双方にメリットがある。途絶えている閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」を再開したいと汪副首相が表明したのは、意味があろう。双方の官民がそろって知恵を出し合うべきだ。

 ここにきて日中間では政治面の接触も増えている。両国外相が会談し、東シナ海で不測の事態に備える高級事務レベル海洋協議が開かれた。とはいえ双方が掲げる「戦略的互恵関係」にはなお遠い。一層の努力が求められる。
日中の「互恵」へ一層の努力を  :日本経済新聞











[因]
経済学者、故・宇沢さん

[果]
人間臭さに満ちた生涯だった。

<編集過程>
人の心を大切にする経済学をテーマに経済理論作りをした故・宇沢さんは、人間臭さに満ちた生涯だった。
人の心を大切にする経済学をテーマとした宇沢氏の人生は、人間臭さに満ちた生涯だった。

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