2014年6月5日木曜日

2014-06-05

見通しの甘い公的年金財政のシナリオを、厚労省はもっと現実を直視して想定してほしい。

2014/6/5付
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 小津安二郎は昭和30年代、シナリオを書くときは信州・蓼科高原の山荘にこもった。相棒の脚本家、野田高梧と顔を突き合わせ、夜は地酒を酌み交わし、精魂かたむけて作品を完成させていったという。「秋日和」や「秋刀魚の味」など晩年の名作はそこから生まれた。

▼こちらの脚本も苦心の作ではあろう。厚生労働省が公的年金の長期的な財政見通しとしてまとめた、8本のシナリオである。かねての政府の目標どおり、現役世代の収入の50%は支給できるという楽観的な筋書きが5本、それより落ち込むという悲観的な展開が3本。うち最悪のケースでは「積立金枯渇」の結末を迎える。

▼総じてみれば「年金はなんとか維持できる」と訴えているようだが、首をかしげる向きも少なくない。「5割支給確保」の想定のなかでは働きに出る女性や高齢者が一気に増えるし、積立金も4%の利回りで運用が続けられることになっている。さてそんなにうまく事が運ぶのかどうか、ずいぶん甘いホンではないか……。

▼小津の映画は淡々としていて何も起きないと言われるが、じつは結構辛口である。少子高齢化はまだ遠い時代なのだが、そこには家族の崩壊、格差、晩婚化など現在に通じるテーマが横たわっている。現実を直視し、作品に落とし込んでいたのだ。厚労省脚本部も、もっとシナリオ作法を勉強したほうがいいかもしれない。
小津安二郎は昭和30年代、シナリオを書くときは信州・蓼科高原の山荘にこもった。相棒の脚本家、野田高梧と顔を突き合わせ、夜  :日本経済新聞











[因]
見通しの甘い年金問題のシナリオ

[果]
厚労省ももっと現実を直視したほうがいい。

<編集過程>
公的年金の財政見通しの8本のシナリオは見積もりが甘いので、厚労省ももっと現実を直視したほうがいい。
公的年金財政見通しの8本のシナリオは想定が甘いので、厚労省も現実を直視して想定したほうがいい。
公的年金財政見通しの8本のシナリオは想定が甘いので、厚労省も現実を直視して想定したほうがいい。
公的年金財政見通しの8本のシナリオは想定が甘いので、厚労省も現実を直視して想定したほうがいい。
見通しの甘い公的年金財政のシナリオを、厚労省はもっと現実を直視して想定した方がいい。
見通しの甘い公的年金財政のシナリオを、厚労省はもっと現実を直視して想定した方がいい。
見通しの甘い公的年金財政のシナリオを、厚労省はもっと現実を直視して想定してほしい。

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