2014年6月13日金曜日

2014-06-13

絶滅危機に瀕するニホンウナギの消費を自重し、放生を施してウナギ達の復活を祈りたい。

2014/6/13付

 本山荻舟(てきしゅう)の「飲食事典」にこんな話がある。天保年間のこと、ウナギで名高い京都・宇治の料亭にお大尽がやって来た。カミシモ姿の亭主が口上を述べ、酒やつまみをいろいろ出すが肝心のウナギが遅い。待って待って、やっと出たと思ったら細い貧弱なのが数本――。

▼さて勘定を頼むと何十両という仰天の値である。見せられたのは店の裏の、ウナギうようよの大桶だ。当地のウナギをすべて買い取り、これから川に放生するからお代はその分も……。半可通の遊客が体よくボラれた図だが、もしかしたら平成の世でも、かば焼きを食べるのにそのくらいの覚悟が必要になるかもしれない。

▼世界の科学者でつくる国際自然保護連合(IUCN)が、ニホンウナギをレッドリストに加えた。すでに日本の環境省も絶滅危惧種に指定しているが、IUCNのリストに載るとワシントン条約での取引規制の対象になる公算が大きくなるという。昨今の大幅な値上がりで縁遠くなったあの味の、絶体絶命のピンチである。

▼今シーズンはなぜか、稚魚のシラス漁が急回復しているらしい。それだけにレッドリスト入りのショックはいや増すけれど、このまま絶滅に追いやる前に日本人こぞって自重するしかあるまい。長い目で見ればそれがかば焼きを食べつづける道だろう。資源保護という現代版の放生を施して、ウナギたちの復活を祈りたい。
本山荻舟(てきしゅう)の「飲食事典」にこんな話がある。天保年間のこと、ウナギで名高い京都・宇治の料亭にお大尽がやって来た  :日本経済新聞











[因]
絶滅危惧種指定されたニホンウナギ

[果]
ウナギ達の復活を祈りたい。

<編集過程>
絶滅危機に瀕するニホンウナギ、日本人がこぞって消費を自重し、ウナギ達の復活を祈りたい。
絶滅危機に瀕するニホンウナギの消費を自重し、自然保護の放生を施しウナギ達の復活を祈りたい。
絶滅危機に瀕するニホンウナギの消費を自重し、放生を施してウナギ達の復活を祈りたい。

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