2014年6月19日木曜日

2014-06-19

医療農業等の見通しが曖昧な成長戦略の、心地よい4文字言葉の響きだけに惑わされるな。

2014/6/19付

 尊皇攘夷、大政奉還、廃藩置県、富国強兵、自由民権……。日本の近代史はこういう4文字7音の言葉でたどれると、半藤一利さんが「あの戦争と日本人」に書いている。昭和に至ればもうその氾濫である。この手のリズムはよほど日本人の感性に合っているのだろう。

▼いまとなっては歴史事典が必要なのだが五族協和に国体明徴、天壌無窮といったキャッチフレーズが盛んに唱えられた。やがて八紘一宇、七生報国、そして鬼畜米英だ。そんな具合だから戦後だって安保反対に所得倍増、政権交代などなど枚挙にいとまがない。さて目下のところ話題にこと欠かぬのは「成長戦略」である。

▼アベノミクスの第3の矢、それを大幅改訂した注目の文書だけに政府がまとめた素案はずいぶん力が入っている。ただしよく目を凝らせば医療や農業などの「岩盤」崩しが実際にどこまで進むかはあいまいな書きぶりだ。項目だけはテンコ盛りで、成長戦略を錦の御旗に役所があれもこれもと施策を並べた観がなくもない。

▼4文字言葉は耳に心地よく、うっかりするとその響きに躍らされてしまうのは歴史が教えていよう。そういえば今回の素案には霞が関ふうのカタカナも多い。「伴走支援プラットフォーム」「クロスアポイントメント制度」「日本版コンパッショネートユース」……。こちらは逆に耳障りだが、もっともらしさ十分である。
尊皇攘夷、大政奉還、廃藩置県、富国強兵、自由民権……。日本の近代史はこういう4文字7音の言葉でたどれると、半藤一利さんが  :日本経済新聞











[因]
成長戦略の素案は力が入っているが、医療や農業などについては曖昧な書きぶり

[果]
うっかりすると耳に心地よい4文字言葉の響きに踊らされてしまう。

<編集過程>
成長戦略の素案は力が入っているが、医療や農業などについては曖昧な書きぶり、うっかりすると4文字言葉の耳に心地よさに踊らされてしまう。
成長戦略の素案は力が入っているが、医療や農業などについては曖昧な書きぶり、うっかりすると耳に心地よい4文字言葉の響きに踊らされてしまう。
成長戦略と4文字言葉にすると響きはよいが、医療や農業など曖昧な点もあり、惑わされないようにしよう
成長戦略等の4文字言葉は響きはよいが、医療や農業など曖昧な点もあり、惑わされないようにしよう
政策内容が曖昧な成長戦略は、心地よい4文字言葉の響きに惑わされないようにしよう
医療や農業などの見通しが曖昧な成長戦略は、心地よい4文字言葉の響きに惑わされるな。
医療農業等の見通しが曖昧な成長戦略の、心地よい4文字言葉の響きだけに惑わされるな。

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