2014年6月8日日曜日

2014-06-08

75歳で創業した田中久重のように、興味のある分野で起業する高齢者がもっと増えていい。

2014/6/8付

 「万般の機械考案の依頼に応ず」。機械ならなんでも作りますと看板に大書した建物が、東京の銀座に現れたのは明治8年のことだ。計器や羅針盤、糸取り機などが次々に製作された。東芝の源流になるこの小工場を興したのは技術者の田中久重。75歳での創業だった。

▼若いころ、からくり人形作りに没頭した田中は、幕末に精巧な置き時計を発明して有名になる。佐賀藩に招かれて蒸気機関車の模型を走らせ、郷里の久留米藩で大砲を造った。維新後、政府の求めで上京。要望通り電信機を完成させるが、それだけでは物足りなかったのだろう。高齢での起業も苦ではなかったに違いない。

▼好きなことは、何歳になっても情熱が衰えない。むしろ高まるのかもしれない。定年後、前から興味のあった分野で会社を設立したり、自営業を始めたりする人がもっと増えていい。元気に働く高齢者が広がれば社会保障費が楽になるメリットもあるが、大事なのは自己実現だ。これまでのビジネスの経験も役立つだろう。

▼中小企業白書によると、自分で事業を起こしたいという人のうち60歳以上の割合は2012年で16%あった。07年の11%から徐々に増えてきている。この流れを強めたい。晩年の田中は独自設計の電話機や時報を伝える機械を開発、エレクトロニクス産業の種をまいた。発明が途切れなかったのは面白く働いたからだろう。
「万般の機械考案の依頼に応ず」。機械ならなんでも作りますと看板に大書した建物が、東京の銀座に現れたのは明治8年のことだ。  :日本経済新聞











[因]
75歳で創業した田中久重

[果]
定年後興味のある分野で開業する人がもっと増えていい。

<編集過程>
75歳で創業した田中久重のように、定年後興味のある分野で自営業を始める人がもっと増えていい。
75歳で創業した田中久重のように、定年後興味のある分野で自営業を始める人がもっと増えていい。
75歳で創業した田中久重のように、興味のある分野で起業する高齢者がもっと増えていい。

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