2014年10月4日土曜日

2014-10-04

観光客誘致のための地域創生は、新たに施設を作るより今ある景観や歴史を活用すべきだ。

2014/10/4付

 もしも世界が日本の街づくりをまねしたら? 東洋文化研究者のアレックス・カー氏がそんな発想で合成写真を作り、近著「ニッポン景観論」に掲載している。例えばイタリアの港町ベネチアでは、小舟の行き交う運河が埋められ4車線道路になり、標識や看板が並ぶ。

▼他の街も同様だ。荘厳な寺院の前に大型バスがずらり。伝統建築の一部も駐車場に。街角の彫像を「禁煙」「登らないでください」などの注意書きが囲む。お遊びを込めた問題提起を笑って眺めるうちに、情けない気持ちがわく。現実の日本で、観光地や歴史ある街の多くが、まさにこの写真通りのことをしているからだ。

▼地方創生の名のもとに、人口維持や観光客誘致などに向けて、これからさまざまな手が打たれることになりそうだ。自分たちの住む街や地域の魅力を高めるために、本当に効果のあることは何か。用心深く吟味しないと、つぎ込むお金が無駄になるだけでなく、景観や歴史など、すでに持っている街の資産を壊しかねない。

▼観光振興のノウハウは世界で進化しており、日本は後れをとっているとカー氏は説く。予算を使うなら、新しい施設より建物の再生や景観を損なうものの撤去に使うべきだ、とも。実際に、昔を思わせる温泉や古民家を改装した宿は外国人にも人気が高い。いまあるものをきちんといかす姿勢も、地域再生には大事になる。











[因]
観光客誘致のための地域創生は

[果]
景観や歴史など今あるものをきちんと活かしていくべきだ

<編集過程>
観光客誘致のための地域創生は、景観や歴史など今あるものをきちんと活かしていくべきだ
観光客誘致のための地域創生は、新たに施設を作るより今ある景観や歴史を活かしていくべきだ
観光客誘致のための地域創生は、新たに施設を作るより今ある景観や歴史を活用すべきだ。

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