2014年10月5日日曜日

2014-10-05

若い創作家が同世代に問うネット社会での挑戦の中に、大きく育つビジネスが眠っている。

2014/10/5付

 60代ならトップは五木ひろし「夜明けのブルース」。50代は一青窈「ハナミズキ」。2013年にどんな歌がカラオケでよく歌われたか、業界大手が自社のデータを年齢別に集計した結果だ。40代、30代もテレビでなじみの歌が並ぶ。様子が変わるのはその下の世代だ。

▼20代、10代とも1位は「千本桜」。歌番組ではまず耳にしない。ヤマハの音声合成技術「ボーカロイド」を使い、有名無名の作り手が自作の歌をコンピューターに歌わせたボーカロイド楽曲、略してボカロ曲の1つだ。かつては「ニコニコ動画」などの投稿サイトで無料公開するしかなかったが、今や人気作はCDになる。

▼さらにカラオケでも正式配信され、作り手はきちんと収入を得られるようになった。10代のカラオケランキングをみると、すでに上位20曲のうち半分をボカロ曲が占める。ネットで歌と出会う世代の誕生といえる。若い創作家がパソコンで作品を作り、直接、同じ世代に問う。こうした挑戦が日本文化に厚みを加えている。

▼出版・映像のKADOKAWAとニコニコ動画のドワンゴが経営を統合した。昨年度、KADOKAWAの書籍売り上げ首位は「カゲロウデイズ」シリーズだった。同名のボカロ曲をもとに、歌詞の行間や背景を小説や漫画にしたものだ。大きく育つ芽が、まだネットの中に眠っている。新会社の最大の資産かもしれない。
60代ならトップは五木ひろし「夜明けのブルース」。50代は一青窈「ハナミズキ」。2013年にどんな歌がカラオケでよく歌わ  :日本経済新聞











[因]
ネットで歌と出会う世代の誕生

[果]
大きく育つ芽がネットの中に眠っている。

<編集過程>
若い創作家がネットを利用し同世代に向けた挑戦が大きく育つビジネスが眠っている。
若い創作家が同世代に問うネット社会での挑戦の中に、大きく育つビジネスが眠っている。

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