2014年10月21日火曜日

2014-10-21

小渕経済産業相や松島法相を辞任に追い込んだ問題は、政治に対する法の支配の現れか。

2014/10/21付

 「高速鉄道の第一人者」。中国の張曙光・元鉄道省運輸局長はかつて、こんな異名をたてまつられた。それほどに権勢をほこった元高官に北京の裁判所は先週、執行猶予つきながら死刑を言い渡した。罪名は収賄。日本円にして総額8億円もの賄賂を受け取ったという。

▼中国の高速鉄道といえば、3年前の夏に浙江省温州市で起きた事故の記憶がなお強く残っている。張元局長自身は、あの事故の前にすでに失脚していた。米国で100万ドルの別荘地を買ったなどと、派手な散財が早くから取り沙汰されていたらしい。元局長は控訴しないというから、それなりの事実はあったと推察できる。

▼それにしても死刑とは厳しい。そんな感想を抱く日本人は多いだろう。いかに巨額の収賄であろうとも、日本ではありえない判決だ。ところが一橋大学の王雲海教授によると、政治とカネの問題では日本こそ政治家に厳しく、中国の場合は厳しかったり厳しくなかったりするのだそうだ(「賄賂はなぜ中国で死罪なのか」)

▼政治資金規正法や公職選挙法のような仕組みは整っていない。野党やメディアによる追及もない。当局の捜査は共産党の政治判断が左右する。小渕優子経済産業相や松島みどり法相を辞任に追い込んだような問題は、中国だと何でもないのかもしれない。王教授が指摘する日本の厳しさは「法の支配」の表れといえようか。
「高速鉄道の第一人者」。中国の張曙光・元鉄道省運輸局長はかつて、こんな異名をたてまつられた。それほどに権勢をほこった元高  :日本経済新聞











[因]
小渕優子経済産業相や松島みどり法相を辞任に追い込んだ問題

[果]
政治に対する法の支配の現れか。

<編集過程>
小渕優子経済産業相や松島みどり法相を辞任に追い込んだ問題は、政治に対する法の支配の現れか。
小渕経済産業相や松島法相を辞任に追い込んだ問題は、政治に対する法の支配の現れか。

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