2014年10月17日金曜日

2014-10-17

自撮り写真を公開し自己演出が簡単にできる時代になったが、あまりよいものではない。

2014/10/17付

 内田百間は写真嫌いだった。東京駅の名誉駅長になったときは終始パシャパシャやられ「寿命が薄くなる」と憤慨した。随筆でいわく「玄人の仕事の関係は仕方がないとして、そうでない素人がどうしてあんなに写真が取りたいか」。百鬼園先生らしい毒舌ぶりである。

▼そんな作家が昨今の「自撮り」ブームを知ったらどんな意見をするだろう。スマートフォン(スマホ)などを使った、自分で自分を撮る遊びだ。ずっと昔からセルフスナップと呼んでこの手はあったけれど、スマホの登場でやりやすくなった。最近では一般のデジタルカメラにもこの機能付きが登場してにぎやかなことだ。

▼自らハイ、チーズなんてナルシシストっぽいなどと言うなかれ。出来のいい作品をブログや交流サイト(SNS)に載せてアピールする人も珍しくない。英語圏では、自撮り写真を指すセルフィーなる新語が定着しつつあるそうだから世界的な流行だ。先日はスマホに専用の長い棒を付けて操作している若者に出くわした。

▼そういえば百間は、写真はご免と言いながら案外たくさん撮らせている。口をへの字に結んで謹厳なふうを装い、じつはなかなか自意識が強かったのだろう。そんな自己演出が自撮りで気軽にできるようになった時代を喜ぶべきか悲しむべきか。試みに1枚……スマホ画面の自身を眺めればやはり、寿命の縮む思いがする。
内田百間は写真嫌いだった。東京駅の名誉駅長になったときは終始パシャパシャやられ「寿命が薄くなる」と憤慨した。随筆でいわく  :日本経済新聞











[因]
スマホでの自撮り写真の公開が流行しているが、

[果]
あまりよいものではない

<編集過程>
スマホでの自撮り写真の公開が流行しているが、あまりよいものではない
スマホで自撮り写真を公開する自己演出が簡単にできる時代になったが、あまりよいものではない
スマホで自撮り写真を公開し自己演出が簡単にできる時代になったが、あまりよいものではない
自撮り写真を公開し自己演出が簡単にできる時代になったが、あまりよいものではない。


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