2014年4月1日火曜日

2014-04-01

増税前は衝動による買いだめを行ったが、増税後は商品を吟味し倹約して過ごすしかない。

2014/4/1付

 新年度を迎え「さあ、やるぞ」というときに、少しぜい肉がついた気がする。腰回りではない。生活万般、身の回りを見わたしての話である。あれもこれも、とあおられてはいないつもりでも、モノが確実に増えている。バイキングでつい食べ過ぎたときの感覚に近い。

▼消費税率引き上げは17年ぶり。5%が8%になれば国民1人にすると年に5万円ほど出費がかさむ。「税金というのは、ババぬきのババです。自分のところにこなければ、むしろ快感であったりします」と書いたのは劇作家の野田秀樹さんだが、消費税は皆ババを引くようにできている。だからこその買いだめなのである。

▼この時期にまったく後悔のない買い物をした方、それは名人芸に等しい。「駆け込み需要」と聞いては走りだし、1万円プラス税の同じモノが間もなく300円上がると思えば手が伸びる。「ババ怖さ」は当たり前でも、吟味と衝動とを載せた天秤(てんびん)が普段にまして衝動の側に傾くのが、増税前夜に街へ出た人の心中だろう。

▼天秤をこんどは吟味の側に調整し直すのがきょうである。著書「案外、買い物好き」のなかで、作家の村上龍さんがブランドものの魅力から自由になる唯一の方法は「充実した時間を持って、買い物を面倒くさいと思うこと」だと言っている。その境地は至難だが、さしあたっては「倹約」の旗印を掲げて過ごすしかない。
新年度を迎え「さあ、やるぞ」というときに、少しぜい肉がついた気がする。腰回りではない。生活万般、身の回りを見わたしての話  :日本経済新聞











[因]


[果]

<編集過程>
消費税引き上げで無駄な税金を払わぬよう、商品を吟味し倹約して過ごすしかない。
増税前は衝動による買いだめを行ったが、増税後は商品を吟味し倹約して過ごすしかない。


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