2014年4月12日土曜日

2014-04-12

不通のJR山田線を抱える三鉄は無駄の多い状態だけど被災地を元気にする誇り高い存在だ。

2014/4/12付

 誰が言いだしたのか「盲腸線」という言葉がある。鉄道の本線からちょこんと突き出した支線のことだ。行き止まりのその形もさることながら、こういう路線の大半は乗客もごく少ない無用の長物と見なされ、それが人みな腹中に抱える盲腸と同じ、というわけだろう。

▼そんな比喩に使われる盲腸、いや正しくは盲腸から突き出ている虫垂なのだが、最近の研究では役立たずどころか意外に大切な組織だとわかってきたそうだ。先日の本紙によると、虫垂は免疫細胞をつくって大腸や小腸に供給し、腸内細菌のバランスを保っていることを大阪大などのチームがマウスで明らかにしたという。

▼虫垂を切り取ったマウスとそうでないマウスを比べると、切除されたほうの大腸は免疫細胞が半減していたとのことだ。失って初めて知るそのありがたさだが、かつて廃止された盲腸線にもそうした効用は少なからずあったろう。赤字に苦しみ、やむを得ず消えたとはいえ、鉄道のない寂しさは地域をまた廃れさせもする。

▼岩手県の第三セクター、三陸鉄道が北リアス線、南リアス線の全線で運行を再開した。東日本大震災で大きな被害を受けながら復活できたのは、鉄道への熱い思いがあったからに違いない。南北リアス線をつなぐJR山田線は不通のままだから、三鉄はいま盲腸線状態だ。けれど被災地を元気にする、誇り高き盲腸である。
誰が言いだしたのか「盲腸線」という言葉がある。鉄道の本線からちょこんと突き出した支線のことだ。行き止まりのその形もさるこ  :日本経済新聞











[因]
不通のJR山田線を抱える三鉄は盲腸線状態だけど、

[果]
被災地を元気にする誇り高き盲腸だ。

<編集過程>
盲腸線状態
不通のJR山田線を抱える三鉄は盲腸線状態だけど、被災地を元気にする誇り高き盲腸だ。
不通のJR山田線を抱える三鉄は盲腸線状態だけど、復活により被災地を元気にする誇り高き盲腸だ。
不通のJR山田線を抱える三鉄は無駄の多い状態だけど被災地を元気にする誇り高い存在だ。

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