2014年4月30日水曜日

2014-04-30

スポーツによって生じる差別意識がはびこる欧米の現実を、日本の明日の姿にしたくない。

2014/4/30付

 1903年に現在のポーランドに生まれたユダヤ系の物理学者フリッツ・ハウターマンスは機知あふれる性格で知られた。ドイツで暮らした時期、何度も言っていたという。「君たちの先祖が森で暮らしていたときに、俺たちの先祖はもう小切手を偽造していたんだぜ」

▼ジョークには重すぎる一言に、差別に抗する精神のギリギリの発露が感じられる。もちろん1人の諧謔(かいぎゃく)が歴史を変えることはなかった。現実はナチスの反ユダヤ政策が彼に亡命を迫り、人生を翻弄した。ハウターマンスの示した精神など不要な世になれば、それに越したことはない。しかし、いまだにそうなってはいない。

▼先の日曜には、スペインの名門サッカークラブ、バルセロナに属するブラジル代表の黒人選手が、試合中に観客席から投げ込まれたバナナの皮をその場でむいて食べ、話題になった。試合後、「11年前からスペインにいるがずっと同じだ」と選手は言ったそうだ。その行為には機転と気丈だけでなく、うら悲しささえある。

▼バナナに罪はないが、使い方次第では黒人を猿と結びつけて侮蔑する道具だ。米国で人気のプロバスケットでも黒人差別が問題になっている。スポーツが解き放つ人の性根に潜んだ差別意識を退治しようとして退治しきれない。そんな欧米の現実を、無観客のサッカー試合があったばかりの日本の明日の姿にしたくはない。
1903年に現在のポーランドに生まれたユダヤ系の物理学者フリッツ・ハウターマンスは機知あふれる性格で知られた。ドイツで暮  :日本経済新聞











[因]
スポーツが解き放つ人の性根に潜んだ差別意識がはびこる欧米の現実を

[果]
無観客のサッカー試合が合ったばかりの日本の明日の姿にしたくない。

<編集過程>
スポーツが解き放つ人の性根に潜んだ差別意識がはびこる欧米の現実を、無観客のサッカー試合が合ったばかりの日本の明日の姿にしたくない。
スポーツが解き放つ人の性根に潜んだ差別意識がはびこる欧米の現実を、日本の明日の姿にしたくない。
スポーツによって生じる差別意識がはびこる欧米の現実を、日本の明日の姿にしたくない。


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