2014年4月29日火曜日

2014-04-29

富岡製糸場は建物や機械だけでなく、改革に挑んだ物語を伝える世界遺産になってほしい。

2014/4/29付

 勤め先がどこかと聞かれて、得意げに会社の名を言う人もいる。逆に「ごく普通のサラリーマンです」などと口の中でぼそぼそ語る人もいる。世間に名が知れた有名企業なら、相手は「なるほど」と納得した表情になり、聞いたことがない社名だと顔に疑問符が浮かぶ。

▼明治初期に富岡製糸場で働く工員たちは、どうだったか。工場を案内するボランティア男性によれば「全国の若い女性のあこがれの職場だった」という。フランス人教官から洗練された習慣やマナーを学び、官営らしく待遇もよかったそうだ。ここで技能とハクをつけ、他の会社に指導役として転出する工員もいたという。

▼ワインを飲む外国人の姿が「生き血を吸われる」と恐れられた時代である。それでも日本中から四百人以上が集まった。見知らぬ土地に飛び込んだ本人も、娘を送り出した家族も勇気が要ったに違いない。いま風にいえば「ブラック企業」の風評がもし広がれば、国運を賭けた官営事業は失敗に終わっていたかもしれない。

▼その「富岡」が世界文化遺産に登録される見通しとなった。海外に名が知られ、来訪者も増えるだろう。たしかにレンガ造りの工場は立派だが、建物や機械など「モノ」だけを見学するのなら物足りない。工業化への道の裏側には、悩みながら改革に挑んだ地域社会と人がいる。変革期の物語を伝える名所になってほしい。
勤め先がどこかと聞かれて、得意げに会社の名を言う人もいる。逆に「ごく普通のサラリーマンです」などと口の中でぼそぼそ語る人  :日本経済新聞











[因]
富岡製糸工場の建物や機械などモノだけを見学するには物足りないが、

[果]
悩みながら改革に挑んだ地域社会と人を伝える名所になってほしい。

<編集過程>
富岡製糸場の建物や機械などモノだけでなく、改革に挑んだ物語を伝える名所になってほしい。
富岡製糸場は建物や機械などだけでなく、改革に挑んだ物語を伝える名所になってほしい。
富岡製糸場は建物や機械などだけでなく、改革に挑んだ物語を伝える世界文化遺産になってほしい。
富岡製糸場は建物や機械だけでなく、改革に挑んだ物語を伝える世界文化遺産になってほしい。
富岡製糸場は建物や機械だけでなく、改革に挑んだ物語を伝える世界遺産になってほしい。


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