2014年4月6日日曜日

2014-04-06

相次いで水揚げされる深海魚は、気軽に捨てたゴミが海の底まで汚すというメッセージか。

2014/4/6 3:30

 リュウグウノツカイをご存じだろうか。海や湖の底に理想郷があるという竜宮伝説にちなんだ、ロマンチックな名前を持つ深海魚のことだ。大きな目と口は人の顔のようにも見え、赤く伸びたひれが髪の毛を思わせる。人魚のモデルともなった神秘的な生きものである。

▼深海にすむはずのこの魚が、今年に入って各地で見つかっている。漁の網にかかったり浜辺に打ち上げられたりして、日本海側を中心に少なくとも10匹ほどが確認された。リュウグウノツカイ以外にも、ダイオウイカやサケガシラといった深海からの珍客が相次いで水揚げされている。今年は深海生物の当たり年のようだ。

▼深海のこうした生きものが、なぜ人間の前に姿を現すのだろうか。なにしろ生態のほとんどは謎に包まれている。ただ東海大学海洋科学博物館の話を聞けば、人間の側が原因を作っている面もあるようだ。深海魚のミズウオを解剖すると、9割近い確率で胃の中からレジ袋やペットボトルのキャップなどが出てくるという。

▼陸の上で気軽に捨てたゴミが回り回って、海の底まで汚す。物語の中で浦島太郎を背中にのせ、竜宮城へといざなったウミガメも、好物のクラゲと間違ってビニールやプラスチックを飲み込み、死んでしまうことが少なくない。打ち上げられた深海魚は、竜宮から新たなメッセージを届けに来ているということであろうか。
リュウグウノツカイをご存じだろうか。海や湖の底に理想郷があるという竜宮伝説にちなんだ、ロマンチックな名前を持つ深海魚のこ :日本経済新聞












<編集過程>
竜宮からの新たなメッセージを届けに来ているということであろうか

相次いで水揚げされる深海魚は、気軽に捨てたゴミが海の底まで汚すというメッセージだろうか。
相次いで水揚げされる深海魚は、気軽に捨てたゴミが海の底まで汚すというメッセージか。

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