2014年4月15日火曜日

2014-04-15

最後まで咲き切り見事に散った後に芽吹く桜の若葉から、潔く生きる勇気が伝わってくる。

2014/4/15付

 何十万枚か。それとも何百万枚だろうか。桜の花が満開のころ、日本全国でどれだけ多くの人が、携帯でシャッターを切ったことだろう。明日では遅い。今を逃せば、もう散り始めてしまう。人の背中を押し、何かせわしい気分にさせる霊力が、桜の花にはあるらしい。

▼けれども、散る時期の桜の見事さも忘れたくない。最後の瞬間まで気力を張って咲き切り、ふと思い立ったかのように飛び去っていく。今その花びらが、色あせないまま地面や川面を覆っている。「風にちる花の行方は知らねども、惜しむ心は身にとまりけり」。西行は咲くだけでなく、人の心の内に残る桜を多く詠んだ。

▼西行が登場する世阿弥の能に「西行桜」がある。西行は嵯峨の山奥の庵(いおり)で、ひとり静かに桜を楽しみたいが、都からガヤガヤと花見客が押しかけて来る。「人が群れるのが桜の欠点だ」とこぼすと、老人の姿をした桜の木の精が現れて、こう反論する。「わずらわしいと感じるのは人間の心の問題であり、桜の罪ではない」

▼桜の気持ちになってみれば、ただ咲き、ただ散るだけかもしれない。人間から見るとそれは出会いと別れになる。木の精は「あと少し、あと少し」と舞い続けるが、夜明けとともに姿は消え、後に花が散り敷いていた。桜の季節が終わる。寂しさは胸にしまい、芽吹く若葉を見上げてみる。潔く生きる勇気が伝わってくる。
何十万枚か。それとも何百万枚だろうか。桜の花が満開のころ、日本全国でどれだけ多くの人が、携帯でシャッターを切ったことだろ  :日本経済新聞











[因]
散る時期の桜の見事さ

[果]
潔く生きる勇気が伝わってくる。

<編集過程>
最後の瞬間まで気力をはって先切る桜から、芽吹く若葉から潔く生きる勇気が伝わってくる。
散る時期の桜の見事さから、芽吹く若葉から潔く生きる勇気が伝わってくる。
最後の瞬間まで気力を張り見事に散る桜から、芽吹く若葉から潔く生きる勇気が伝わってくる。
最後の瞬間まで気力を張り見事に散る桜から、芽吹く若葉から潔く生きる勇気が伝わってくる。
散る時期の桜の見事さもさることながら、芽吹く若葉から潔く生きる勇気が伝わってくる。
最後まで気力を張り見事に散った後に、芽吹く桜の若葉から潔く生きる勇気が伝わってくる。
最後まで気を張り見事に散った後に芽吹く桜の若葉から、潔く生きる勇気が伝わってくる。
最後まで咲き切り見事に散った後に芽吹く桜の若葉から、潔く生きる勇気が伝わってくる。
最後まで咲き切り見事に散った後に芽吹く桜の若葉から、潔く生きる勇気が伝わってくる。

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