2014年4月10日木曜日

2014-04-10

STAP細胞騒動での小保方さんのチグハグな弁明が、苦しい言い訳ではないと信じたい。

2014/4/10付

 きのうヨシミにきょうハルコ……などと冷やかすつもりはないけれど、なんだか日替わりのように「時の人」が謝罪、釈明、反論の記者会見に出てきてテレビ桟敷もあわただしい。8億円問題の渡辺喜美先生に続き、こんどはSTAP細胞の小保方晴子さん登場である。

▼いかにも政治家の、のらりくらりの弁解が退屈だったみんなの党前代表に比べると、理化学研究所という大組織を向こうに回した若き女性研究者の姿は見ものではあった。問題が問題だから専門用語が飛びかう一方で涙あり声張り上げての訴えあり。世間に記者会見なるもの数々あれど、こういう混沌ぶりは珍しいだろう。

▼「STAP細胞の作製には200回以上成功している」とは驚きの「新事実」だ。しかしそんな名手が論文は自己流で「不注意、不勉強、未熟さ」ゆえにおかしなものを仕上げてしまったとはじつにチグハグである。そういうことがありうる気もするが、その乖離(かいり)があまりに奇妙で画面のなかの人に目を凝らすほかはない。

▼奇妙といえば彼女と一緒に研究を続け、論文執筆を手伝った先輩同輩の感覚もいよいよ謎である。今回の会見をどんな思いで眺めたことだろう。それにしても科学の世界からはひどく遠いところにきてしまったこの騒ぎ、つまるところ証拠物件があるかないかの勝負だ。ヨシミの「熊手」とは話が違う、と信じたいのだが。
きのうヨシミにきょうハルコ……などと冷やかすつもりはないけれど、なんだか日替わりのように「時の人」が謝罪、釈明、反論の記  :日本経済新聞











[因]


[果]

<編集過程>


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