2014年12月3日水曜日

2014-12-03

不良を演じた故・菅原文太の晩年は農業や平和運動に注力し日本の大切な部分に貢献した。

2014/12/3付

 「私は、自分の内部の不良少年に絶えず水をやって、枯死しないようにしている」。そう書いたのは哲学者の鶴見俊輔さんである。言うほど水やりはたやすくない。気づけば身過ぎ草、世過ぎ花ばかりが心のあちこちにはびこり、とげっぽいのは枯れかけていたりする。

▼そんなときは映画館に駆け込めばいい、という時代があった。客の内部の不良少年にスクリーンからたっぷり水をかけてくれるスターがいたからである。そんな役回りを演じた菅原文太さんが81歳で逝った。「仁義なき戦い」の広島やくざに、満艦飾の大型トラックを操るひょうきんな「一番星」に、不良はあふれていた。

▼寅さんとは違うタイプの不良だ。その姿に生き返る気がした人は多かろう。晩年は映画を離れ、農業や平和運動に力を注いだ。妻の文子さんが、小さな種を二つまいて去った、とコメントを出している。無農薬有機農法を広めることと、日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れてしまわないようにすることだという。

▼鶴見さんの言葉をもう一つ。「日本の国について、その困ったところをはっきり見る。そのことをはっきり書いてゆく。しかし、日本と日本人を自分の所属とすることを続ける」。「書く人」ではなかった文太さんの生涯が重なるのを感じる。日本という国の内部の大切な場所にたっぷり水をやった晩年の印象からである。
「私は、自分の内部の不良少年に絶えず水をやって、枯死しないようにしている」。そう書いたのは哲学者の鶴見俊輔さんである。言  :日本経済新聞











[因]
農業や平和運動に力を注いだ菅原文太

[果]
日本という国の内部の大切な場所にたっぷり水をやった晩年の菅原文太

<編集過程>
不良を演じた菅原文太の晩年は、農業や平和運動に力を注ぎ日本の大切な部分にたっぷりと水をやった。
不良を演じた故・菅原文太の晩年は、農業や平和運動に力を注ぎ日本の大切な部分に貢献した。
不良を演じた故・菅原文太の晩年は、農業や平和運動に注力し日本の大切な部分に貢献した。
不良を演じた故・菅原文太の晩年は農業や平和運動に注力し日本の大切な部分に貢献した。

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