2014年12月13日土曜日

2014-12-13

死と再生を繰り返す自然の営みの様に、アベノミクスは再び生命力を取り戻せるのか。

2014/12/13付

 アンデルセンの「即興詩人」(森鴎外訳)にこんなくだりがある。主人公アントニオの舟が突然、竜巻に遭う。混乱した船頭は「尊きルチア、助け給へ」と叫ぶ。気づくとカプリ島の青の洞窟に漂着していた。金銀財宝の入った壺(つぼ)を見つけ、盲目の少女ララに救われる。

▼祈ったのはナポリ民謡に歌われた聖ルチア。政略婚を拒み目をくりぬかれ殉教した。目と光の守護聖人。北欧諸国などでは、今日がその祝日だ。ロウソクの冠をかぶった少女たちが闇の中を練り歩く。キリスト教が普及する前の「光の祭り」と結びついた伝統行事。冬至のころ、厳しい冬を追い出し、春を呼ぶ儀式らしい。

▼明日は赤穂浪士討ち入りの日である。劇的事件には冬の王を倒し春を招く太古からの祭祀(さいし)が隠れているとの指摘がある(丸谷才一「忠臣蔵とは何か」)。権勢を誇った冬も滅び、やがて春が訪れる。死と再生を繰り返す自然の営みを反乱劇が再現してみせる。そこに日本人の心を揺さぶり続ける秘密があるのかもしれない。

▼いま起きていることにも、そんな祭儀がひそむと想像してみる。明日の衆院選は冬を追い払い、春を招くだろうか。円安や景気悪化で、くたびれてきたアベノミクス。国民の審判を受けて再び生命力を取り戻せるのか。なにしろ、日本再生がかかっている。守護聖人への祈りや祝祭劇だけで、終わらせるわけにはいかない。
アンデルセンの「即興詩人」(森鴎外訳)にこんなくだりがある。主人公アントニオの舟が突然、竜巻に遭う。混乱した船頭は「尊き  :日本経済新聞












[因]
権勢を誇った冬も滅び、やがて春が訪れる。死と再生を繰り返す自然の営みを反乱劇が再現してみせる。そこに日本人の心を揺さぶり続ける秘密があるのかもしれない

[果]
アベノミクスは国民の審判を受けて再び生命力を取り戻せるのか

<編集過程>
権勢を誇った冬も滅び、やがて春が訪れる。死と再生を繰り返す自然の営みの様に、アベノミクスは国民の審判を受けて再び生命力を取り戻せるのか
権勢を誇った冬も滅び、死と再生を繰り返す自然の営みの様に、アベノミクスは国民の審判を受けて再び生命力を取り戻せるのか
権勢を誇った冬も滅び、死と再生を繰り返す自然の営みの様に、アベノミクスは再び生命力を取り戻せるのか
死と再生を繰り返す自然の営みの様に、アベノミクスは再び生命力を取り戻せるのか。

0 件のコメント:

コメントを投稿