2014年12月1日月曜日

2014-12-01

欠点や自由・寛容を尊重する今の若者文化は、大人社会になにを訴えているのだろう。

2014/12/1付

 きょうから12月に入り、まもなく2014年も終わる。10年代も前半5年が過ぎ、折り返し点を回るわけだ。中間総括するなら10年代とはどんな時代か。若者文化に詳しい評論家、さやわか氏は、今年出版した「一〇年代文化論」で「残念」というキーワードを挙げる。

▼ダメな時代という意味ではない。高校生などが好んで読むライトノベルで近年、美男子なのに性格はオタクといった「残念な」生徒が活躍する「残念系」の話が売れている。お笑いコンビでは「残念な(つまらない)方」に脚光があたる。「ダメ」といえば救いがないが「残念」はそこはかとなく共感や同情を感じさせる。

▼人間は本来、多様なものだ。完全無欠なスターや万事に平均点というタイプもいるが、たいていの人は長所と短所を抱えて生きている。でこぼこは、そのまま受け入れて楽しめばいい。1974年生まれのさやわか氏は、最近の若者文化にそうした「清濁併せのむ」おおらかさを読み取る。この感性が10年代なのだという。

▼いつの時代も、若者が作る文化には2つの共通点がある。大人社会に欠けたもの、失われたものを補おうとすること。それゆえ年長者には理解されないまま支持を広げることだ。今の若者文化が少数派や「欠点」の持ち主を好んで描き、自由や寛容の価値を訴えているとしたら、それは何に対する異議申し立てなのだろう。
きょうから12月に入り、まもなく2014年も終わる。10年代も前半5年が過ぎ、折り返し点を回るわけだ。中間総括するなら1  :日本経済新聞











[因]
今の若者文化が少数派や「欠点」の持ち主を好んで描き、自由や寛容の価値を訴えている

[果]
それは何に対する異議申し立てなのだろう。

<編集過程>
欠点や自由や寛容を尊重する今の若者文化は、なにを訴えているのだろう。
欠点や自由・寛容を尊重する今の若者文化は、大人社会になにを訴えているのだろう。

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