2014年12月10日水曜日

2014-12-10

レバ刺しの過剰規制による摘発と同様に、基準の見えない秘密法での摘発も安心できない。

2014/12/10付

 レバ刺しを出した焼肉店経営者ら逮捕――。この1年ほどの間に、こんな摘発が2度もあったのをご存じだろうか。おととしの夏に食品衛生法で牛の生レバー提供が禁止となり、やがて警察は強権発動に踏み切ったのだ。法律が独り歩きするケースの見本かもしれない。

▼官による過剰規制を憂える声は少なくなかったが、まさか逮捕までは……と誰もが思っただろう。しかし条文があればその執行は辞さないのが警察や検察というものだ。きょう施行の特定秘密保護法をめぐる不安もそこに根ざしている。外交や防衛の機密を漏らした公務員などに最高で懲役10年を科すコワモテぶりである。

▼心配ご無用、と政府は拡張解釈の禁止や報道の自由への配慮などをうたった。秘密指定の対象も細分化してはいる。しかし、それでもなお曖昧な部分が多く、間違った指定を防ぐための仕組みも堅固ではない。「知る権利」は尊重すると言いつつ厳罰が控えているのだから、この法律のいやな感じはなかなか払拭が難しい。

▼禁令はそれ自体が人々を縮み上がらせ、実際に摘発例が出ると威力が倍加する。よもや秘密法の運用がそういう展開をたどるとは考えたくないが、レバ刺しの件を思えば高をくくってもいられない昨今だ。そして困ったことに、レバーは生か焼きか見ればわかるけれど、特定秘密は何がそれなのか向こうにしかわからない。
レバ刺しを出した焼肉店経営者ら逮捕――。この1年ほどの間に、こんな摘発が2度もあったのをご存じだろうか。おととしの夏に食  :日本経済新聞











[因]
レバ刺し過剰規制による法律が独り歩きするケースがある

[果]
基準の見えない秘密法で摘発も安心できない。

<編集過程>
レバ刺し過剰規制による法律が独り歩きするケースがある、基準の見えない秘密法で摘発も安心できない。
レバ刺し過剰規制による警察の強権発動での摘発、基準の見えない秘密法で摘発も同様に安心できない。
レバ刺しの過剰規制による摘発と同様に、基準の見えない秘密法での摘発も安心できない。

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