2014年12月27日土曜日

2014-12-27

STAP細胞問題は経緯解明を要する疑問が山積みであり、これで調査を打ち切るのは甘い。

2014/12/27付

 冬ざれの川は流れる水が減って、それまで見えなかった景色がむき出しになる。いまごろの季節のそんな眺めを「水落石出(すいらくせきしゅつ)」と言うそうだ。転じてこの四字熟語は、ベールがはがれて真相が露(あら)わになることを指すという。虚飾の水が落ちれば石ころだらけというわけだ。

▼いままさに、眼前に荒涼たる光景が広がるのはSTAP細胞をめぐる物語だろう。きのう理化学研究所の調査委員会は、小保方晴子さんらが「発見」したものはES細胞の可能性が非常に高いとする報告書を出した。予想はされていたが、ため息をつくしかない結論である。研究そのものが壮大な虚構だったということか。

▼もっとも、真実を覆い隠す水は流れ去ってはいない。調査委はES細胞混入の経緯を究明できず、これで調査を打ち切るという。オチが不出来のミステリーを読まされた感じだ。「STAP細胞はありまーす」と記者会見で訴えた小保方さんや、協力したベテラン研究者に語ってもらわねばならないことが山ほどあるのに。

▼もし故意だとすれば、いずれ露見する所業になぜ手を染めたのか。どんな思いで突っ走ったのか。そんな疑問も次々にわく。年も押しつまっての報告書公表で、この空前の不祥事も幕引きというならやはり甘かろう。11カ月前の華やかな発表に惑わされた小欄としても、悔恨をかみしめて水落石出になお目を凝らすとする。
冬ざれの川は流れる水が減って、それまで見えなかった景色がむき出しになる。いまごろの季節のそんな眺めを「水落石出(すいらく  :日本経済新聞











[因]
調査委はES細胞混入の経緯を究明できず、これで調査を打ち切るという

[果]
この空前の不祥事も幕引きというならやはり甘かろう

<編集過程>
調査委はES細胞混入の経緯を究明できず、これで調査を打ち切るというならやはり甘かろう
STAP細胞問題は経緯を究明できない段階で、調査を打ち切るというのは甘い。
STAP細胞問題は経緯解明を要する疑問が山積みであり、調査を打ち切るというのは甘い。
STAP細胞問題は経緯解明を要する疑問が山積みであり、これで調査を打ち切るのは甘い。

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