2014年3月28日金曜日

2014-03-28

袴田事件の証拠捏造の指摘をよそに検察が抗うのであればいよいよ正義がわからなくなる。

2014/3/28付

 「著しく正義に反する」。いささか大仰な言い回しだが、司法の世界ではここぞという場面でこの表現が登場する。「原判決を破棄しなければ著しく正義に反する」「量刑は不当で著しく正義に反する」……。裁判所も検察も弁護人も依拠してやまぬ決めゼリフである。

▼今回はこれでは意を尽くせない、と静岡地裁で「袴田事件」の再審請求審を担当した裁判長は考えたのだろう。再審開始を認めたうえで、死刑が確定していた袴田巌さんをまずは釈放するよう命じた。いわく「これ以上、拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」。こんなにも憤怒のにじみ出た司法の言葉を知らない。

▼一家4人が殺されたこの事件で、袴田さん有罪の決め手とされたのは公判中に見つかった衣類だった。きのうの決定はこれを捜査機関が捏造(ねつぞう)した疑いがあると指摘した。身の毛もよだつとはこのことである。被告を有罪に持ち込むための、そんなでっち上げがまかり通っていたとすれば暗黒捜査、暗黒裁判というほかない。

▼「耐え難いほど正義に反する」。決定文の言葉は、過去の司法判断も含めた事件の経緯そのものに向けられているのかもしれない。決定を受けて袴田さんは自由の身になったが囚(とら)われて48年、心身の衰えが目立つという。証拠捏造の指摘をよそに、それでも検察が抗(あらが)おうというのなら正義の在りかがいよいよ見えなくなる。
「著しく正義に反する」。いささか大仰な言い回しだが、司法の世界ではここぞという場面でこの表現が登場する。「原判決を破棄し  :日本経済新聞











[因]
決定文の言葉は過去の司法裁判も含めた事件の経緯そのものに向けられているのかもしれない


[果]
証拠捏造の指摘をよそにそれでも検察が抗おうというのなら正義のあり方がいよいよ見えなくなる

<編集過程>
証拠捏造の指摘をよそに検察が抗うのであればとしたら、いよいよ正義がわからなくなる
証拠捏造の指摘をよそに検察が抗うのであれば、いよいよ正義がわからなくなる

袴田事件の証拠捏造の指摘をよそに検察が抗うのであれば、いよいよ正義がわからなくなる

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