2014年3月29日土曜日

2014-03-29

潔な環境がひき起こす免疫問題以前に、空間除菌製品の効果が疑わしいことに拍子抜けだ。

2014/3/29付

 子を持つ親となって身についた知識に、赤ちゃんは生まれてから半年ほどは病気にかかりにくい、というのがある。胎内にいたときに母親からもたらされた免疫力を、保っているからだ。やがて、この親譲りの力は弱まる。自ら鍛えなくてはならない時期が来るわけだ。

▼子供が大人並みの免疫力を得るには15年かかる、と語るCMを目にしたことがある。確かに10代半ばから病気にかかりにくくなった記憶がある。だから「空間除菌」で悪い菌から子供を守ろう、というCMの趣旨には一瞬納得したのだが、理系の友人は違った。「それって、免疫力の獲得にかかる時間を長引かせるよ」と。

▼大人の体はおよそ60兆の細胞から成り立つ。一方で、その10倍もの数の細菌を蓄えているそうだ。そうした細菌たちの多くはヒトの健康を支えているらしい。アレルギーや自己免疫疾患といった病気が先進国で増えたのは、清潔な環境で育った人たちが十分に細菌を取りこんでいないからではないか、との見方もあるとか。

▼常識で考えれば清潔な環境こそ衛生の前提。ただ、度を過ぎれば別の問題も浮上する、ということだろう。そんなわけで空間除菌のCMにはいささか違和感も抱いてきたのだが、おとといの消費者庁の発表で肩すかしにあったような気分になった。空間除菌をうたう製品の多くは効果そのものが疑わしい、というのだから。
子を持つ親となって身についた知識に、赤ちゃんは生まれてから半年ほどは病気にかかりにくい、というのがある。胎内にいたときに  :日本経済新聞











[因]


[果]

<編集過程>
清潔な環境では免疫力の獲得に時間がかるが、空間除菌製品の多くは効果そのものが疑わしい
潔な環境がひき起こす免疫問題以前に、空間除菌製品の効果が疑わしいことに拍子抜けだ。

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